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中京みぎわ園

京都の中京に建つ都市型保育園です。敷地は古くは材木問屋の栄えた地域にあり、かつて材木の運搬に使われた西高瀬川が暗渠から姿を現す場所にあります。周辺はいわゆる「京都らしさ」とはほど遠い雑多な環境で、(京都全体の問題でもありますが)緑地の少ないエリアとなっています。そうした環境で、未来を担う子供たちを預かる保育園としてのデザインはどうあるべきかが、設計における大きなテーマとなりました。

外観デザインは敷地の過去―現在ーそして子供たちのつくっていく未来、を象徴する素材で構成することとしました。すなわち、過去:材木のまち→木材、現在:雑多な都市環境→金属と塗装、未来:緑豊かなまち→植物、といった素材です。植物については一部に壁面緑化を、一部に登攀性のツタを配置し、ツタについては今後成長することで時間の経過、「未来」を感じさせる要素となっていきます。そして、緑の壁面が成長することで、この保育園が地域の「憩いの森」となっていくことを期待しています。また、開口の配置は画一的な、いわゆる「事務所ビル」のような配置を避けて大小さまざまな窓が不規則に並ぶ配置とし、こどもたちに楽しさを感じてもらえるデザインとしています。内部空間においても、さまざまな高さと大きさの窓から外を眺めることがこどもたちの楽しみとなります。

内部については機能性を重視した構成とし、保育室のフレキシビリティを高めるため、間仕切は可動式の収納家具をオリジナルで製作しました。

DATA

竣工年 :2016

用途  :保育園

工事区分:新築

計画地 :京都府京都市

建築設計:moda architects

     山田央彦建築設計事務所

構造設計:渡辺スペースデザイン

設備設計:(有)INACK

構造  :鉄骨造

規模  :3階建

施工  :(株)中藏

撮影  :沼田俊之

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